NTTドコモの加藤社長がNHKのインタビューで、iPhoneに関する質問などに答えています。
NHK経済部の記者の方が「ドコモはiPhoneに対してどう取り組むのか」という質問に対し、加藤社長はこのように答えています。
結論的に言うと、今までのスタンスと変わっていません。申し上げているとおり、iPhoneはバランスの取れた魅力的な端末だと思っています。一方で、アンドロイドOSやタイゼンOSの上で、お客さまに即したサービスを頑張っていこうとも思っています。
これに対し、アップルのiOSはどちらかというとオープンではないですよね。それにアプリケーションの部分まで含めたエコシステムができています。ですから、お客さまが欲しがっているiPhoneと、私どもが行こうとしているサービスの展開というところのバランスだと思います。いろいろな側面からずっと社内的に検討はしているのですが、「決まりましたか?」と言われると、まだ決まっていません、ということになります。
ああ…なんど同じコメントを聞いた事か^^;
さらには。
ドコモは、スマートフォンのOSに少し手を入れる場合もありますし、アプリケーションも自分たちで作ることもあります。しかし、それはアップルのエコシステムではなかなか厳しいわけです。
ですから、商品ラインナップの中にiPhoneがあってもいいなと思いますけど、その比率はやはり2〜3割というところではないかと思っていて、そのバランスがどう取れるのかというのが一番難しいところだと思います。
はい、このコメントも何度も聞きましたね。
記者さんはさらに突っ込んだ質問をしていて、「iPhoneが出るのか出ないのかはっきりしないと一番困るのは消費者ではないのか」「出さないなら出さないと言ってくれた方がすっきりする人も多いのでは」と畳みかけています。
最近はいつもの定型的な回答しか得られないと諦めてしまうのか、ここまで突っ込んだ質問をしてくるインタビュアーはあまり見かけない気がするので、この辺はちょっと嬉しい。でもやっぱり、加藤社長の回答は「今はそれに答えられる時期ではない」と明言を避けています。
要するに、iPhone 3Gが出る時から今まで何年もずっと「検討中」のまま、どうやら進展は無さそう、という事ですね。
ちなみにドコモはiPhoneを「出す出す詐欺」だとよく批判されますが、私の知る限りではドコモがiPhoneを出すと明言した事は一度もないはずです("将来的にはありうる"とは言ったような気がします)。
ドコモとしては出すとも出さないともはっきり言えないのは当然の事であって、タチが悪いのはむしろそれに煽るような見出しを付けてニュースにする一部メディアの方ではないかと私は思います。
まあ社長もはっきり言えない事をわざわざ言わなければいいのに、という気はしますけど。
一方、加藤社長はITmediaのインタビューでも少しだけiPhoneに関して答えており、そこでは「ドコモの社内にもiPhoneの導入賛成派と反対派がいる」と話しています。
たまに日経さんなどが「ドコモからついにiPhoneが」といった記事が出ては消え、出ては消えという感じでありますが、
これはおそらくドコモ関係者の中でも「iPhone導入賛成派」の人がそのようなニュースをリークするのではないかと思っていましたが、その推測をまさに確信に変えるコメントだと思います。
さて、ドコモはこれからどこへ向かうのか?
Appleとの関係はあくまでビジネスですから、ドコモが「売らせて」と言えばクックさんも多分「ええよ」という話になるんだと思うんですよね。
ではそういう話がいつ実現するのかと言えば…私はやっぱり、当分無いんだろうなあ〜と思いますね。
ドコモにとってはiPhoneを取り扱うという事は自社のビジネスの根幹を揺るがしかねないリスクを背負うわけで、
そのリスクをあえて選ぶかどうか。私は選んで欲しいと思いますけど、先伸ばしにすればするほど、ますます結論を出しにくくなるんじゃないかと思うのですが、どうでしょう?