先日のOS X Mountain Lionの発表に続き、またもAppleから突然の発表です。
日本のiTunes Storeが大幅にアップデートされ、今までは日本で提供されなかった多くの機能が搭載されました。
iTunesやiOSのダウンロード等は必要なし。すぐに新しい機能が使えます。
今回の新機能の数々は、日本での人と音楽との関わりに再び革命をもたらすものになりそうです。
ではその内容をサクッと見て行きたいと思います。
iPhoneの3G環境で楽曲購入が可能に!
外を歩いていて、ふといい曲に出会ったなんて経験はありませんか?
今までのiPhoneはWi-Fi環境が無ければ、Podcastを除いてiTunes Storeにアクセスする事すらできませんでしたが、
これからは、3Gネットワークで楽曲が買えるようになりました。
あるいは、子どもと遊園地の待ち時間。ぐずり出す息子や娘が好きなアニメソングや特撮ヒーローの主題歌などを「試聴」し、これは何の曲!などと盛り上がれたりします。
勿論、気に入った曲を買ってその場で聴く事だって可能。
全ての楽曲がDRMフリーに!
iTunesで販売する全ての楽曲がiTunes Plusに対応しました。
iTunes Plusと言えば、256Kbps AACフォーマットの高音質で、しかもDRMフリー。
今まで購入した曲も、ちょっとした追加料金(単体の曲なら50円など)で、iTunes Plusの音楽にアップグレードする事が可能です。
DRMフリーだから、MacやiOSデバイスだけでなく、例えばAndroid端末に転送して聴くなんて事も可能になるわけです。
iTunes in the Cloud!
iPhoneで買った曲が、そのままiCloud経由でMacやiPadでもダウンロードして聴けるようになったりします。
また、購入した音楽の履歴はiCloudに記録され、
もし、iPhoneが壊れた!バックアップとってないしどうしよう!!なーんて時に、
これまでなら「アプリなら無料で再ダウンロードできるんですが…音楽は買い直して下さい…」と答えなくてはならなかったのが、
「アプリも音楽も再ダウンロードできます!」と言えるようになったわけです。
大好きなあの曲を着信音に!
着信音の販売が始まりました。
ビートルズの楽曲なんかもあり!(iTunes限定だそうです)
着うた大好きな人には嬉しい機能ですよね。
Mastered for iTunes
これは、楽曲を制作するアーティストやサウンドエンジニアが、iTunes Plus用に最高の音質を提供するために
特別にマスタリングを行い、制作された楽曲です。
特別なだけあって数はまだ少なく、洋楽がほとんどですが、ちょっと気になります。
コンプリート・マイ・アルバムでアルバム全曲を差額購入!
1曲買ってみたら気に入って、アルバム全曲を買いたくなったとします。
これまでは、改めてアルバムの価格を支払う必要がありましたが、これからはアルバムの価格から購入した曲分の価格を差し引いた金額で購入できるようになります。
ユーザーとしては是非対応して欲しかった機能がようやくリリースされました!
ソニー系楽曲もついに参戦!
これまで何度か門を開けそうになりながらかたくなに閉ざし続けてきたソニー系の楽曲がついにiTunes Storeに提供されました。
とは言ってもまだ洋楽中心。
ソニーのウォークマンのシェアが盛り返してきて多少気前が良くなったのかどうかは分かりませんが^^;
マイケル・ジャクソンとかセリーヌ・ディオンなどの楽曲が日本でも買えるようになりました。
でもiTunes Matchの日本展開はまだか……えっ今年後半に開始!!?
手持ちのiTunesライブラリの楽曲を、年間24.99ドルでiCloudで利用できる機能、iTunes Matchが
2012年後半にスタートすると、AV Watchさんが伝えています。
iTunes Matchは、iTunesで購入した曲だけでなく、手持ちの曲全てをiCloud経由で同期できる機能。
それがiTunes Storeで販売されている曲に「マッチ」していれば、その曲はアップロードする必要が無く、
代わりにiTunes Storeの高音質データで聴く事ができるという点がユニークな所です。
以前私が書いた記事では、日本の音楽業界の様子を見る限り、iTunes Matchが日本で始まる可能性はかなり低いと考えていましたが、一筋の光明が見えてきた思いです。
日本の音楽が再び盛り上がるきっかけになるか?
これほどの新機能、ようやく米国並になったとも言えますが、日本で提供されるのに至ったのは個人的には想像よりずっと早いと思ったし、とても意外でした。
日本での音楽ビジネスと言えばガラケー向けの着メロ、着うたといったコンテンツが最近は主流ですが、今後はスマートフォン向けのビジネスがより重要になるだろうという判断、そしてクラウドを利用したビジネスに移行するのは避けられないと、音楽業界も納得したのかもしれません。
「違法な音楽コンテンツが合法に聴ける」なんて少々歪んだ捉え方をされがちだったiTunes Matchも、捉え方によってはアーティストにお金が還元されるうまいビジネスだという風に変わってきたのかも知れません。
そしてもちろんAppleも、おそらく相当力を入れて交渉に当たってきたのだろうと想像します。
これまでは曲を買いたいと思っても、3Gネットワーク上では購入できず、時間が経つにつれ買いたいという気持ちも薄れていったという事が何度もあります。
これを期に、音楽に触れる時間が増え、音楽がもっと身近になって、
音楽ビジネスも再び活気が出るといいな、と音楽を愛する人間のひとりとして願っています。