今朝8時過ぎ、何気なくTwitterを眺めていたら、驚きのニュースが。
既に多くの方がご存知だと思いますが、スティーブ・ジョブズ氏がAppleのCEOを辞任する事が発表されました。
ジョブズ氏はAppleの従業員に向けて以下のようなメッセージを送っています。
アップルのCEOとしての責務を果たし、期待に応えることができなくなる日が来れば、私が皆さんにそれを伝える、と私はいつも言ってきた。残念だが、その日が来てしまった。
アップルの輝かしく革新的な時代はこれからも続くと信じている。私はそれを楽しみに見守っていたいし、新しい役割において貢献できれば、と思う。
私は、私の最良の友人をアップルで作った。長年、みんなと一緒に仕事ができたことに感謝したい。
田園Macさんより抜粋
私は15年以上前にMacユーザーになりましたが、その頃彼は既にAppleのCEOを退任させられていました。
その後彼は劇的な復帰を果たし、Apple復活の起爆剤となったiMacを発表します。
iMacは一世を風靡しましたが、その頃わたしは恥ずかしい事に、ジョブズ氏についてはほとんど関心がありませんでした。
その後、AppleはMac OS X、そしてiPodを発表。つぎつぎと魅力的な製品を世に送り続けるうちに、私はジョブズ氏とその脅威のプレゼンに関心を持つようになったのでした。
印象深いジョブズ氏のプレゼンと言えば、
iPod nanoを発表した時の、ジーンズのコインポケットからそれを取り出した時の驚き。
MacのCPUがPowerPCからInterに移行を発表した時に明かされた、Mac OS Xが開発の初期からIntelプロセッサ上で動作するよう設計されていた事という驚きの真実。
そしてやはり、iPhoneを発表した時の素晴らしいプレゼンでしょうか。
もちろん、これだけではないですけれども。
iPod nano発表時のジョブズ氏
これらの素晴らしいプレゼンは、見るものを別世界に連れて行くような魅力と感動があり、それは時に「現実歪曲フィールド」と呼ばれました。
それほど凄いとは思えないようなものでも、ジョブズ氏の手にかかれば大きな歓声につつまれるのです。
もちろん、ジョブズ氏はそれだけ、プレゼンに向けて並々ならぬ努力をしてきたからこそ成しえたもので、相当な体力、精神力を要するものであったのではないかと想像します。
彼のプレゼンがもう見られなくなるかも知れないと思うと非常に残念ですが、
近年のジョブズ氏はかなり痩せてきて、健康状態を不安に思っていただけに、同時にホッとした気持ちもあります。
今は何より体を休め、少しでも長く元気でいてもらいたい、と思います。
「ジョブズ氏がCEOを辞任する事でAppleは衰退していく」と予想する人もいますが
今のAppleは相当に強力な企業に成長しており(単にお金があるというだけではなく)
少なくとも今後数年間、衰退していくという事は無いと思っています。
ジョブズ氏をはじめAppleは5年、10年先を見据えた製品作りを続けてきた企業だと思います。
ジョブズ氏が第一線を退いたからといって、その経営戦略がたちまち悪い方に向かうことにはならないでしょう。
例えば、Appleは10年間、一貫してMacを「デジタルハブ」とする戦略を取ってきて、成功を収めてきたのもその一つ。
そして今年、iOS 5、iCloudの登場によってAppleの戦略は転換期を迎え、
iCloudをデジタルハブとして、Macはその周辺機器に「格下げ」されました。
もしかしたら、この戦略の大転換を自らが指し示す事が、ジョブズ氏の最後の大仕事と捉えたのではないか、と思えてなりません。
(この発表をもしティム・クック氏が行っていたら、おそらくここまでユーザーに受け入れられなかった気がする。)
とにかく、ジョブズさん、今までありがとう。お疲れ様でした!
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