Lionは外見の変化がSnow Leopardとそれ程変わらない印象ですが、ちょっとした改善点を発見しては「おおっ!」と感心したり、「これはちょっとなー」と感じたりしています。
色々とブログ記事を読むと、「ちょっと変わりすぎw」と言う人、「あまり変化が無くて面白くない」と言う人、「これは素晴らしい」と賞賛する人…様々な訳で、Appleも大変だよなあ、と思います。
私は、Lionにさほど悪い印象は持っていませんが、賞賛ありきではなく、一歩引いた視点から評価していきたいと思います。
Mission Controlの操作性
多くの方は既にご存じだと思いますが、Mission Controlは従来のExposeとSpacesをひとつに統合した機能です。
上部に並んでいるのがデスクトップの一覧、従来のSpacesの機能に相当すると思います。
そして下部に広く場所を取っているのが現在使用中のデスクトップです。これは従来のExposeに相当するものです。
フルスクリーン表示したアプリはそれが一つのデスクトップとして表示されているのがユニークな機能だと思います。
Mission Control画面で任意のウインドウをクリックすると、そのデスクトップ画面に移動し、選択したウインドウを最前面に表示します。
現在使用しているデスクトップで、あるウインドウを別のデスクトップに移動したい場合は
Mission Control画面から任意の別のデスクトップにドラッグ&ドロップします。
現在使用しているデスクトップ以外のデスクトップをマウスオーバーすると左上に×ボタンが表示され、
それをクリックするとそのデスクトップは閉じられます。閉じたデスクトップにウインドウが存在する場合は、
そのウインドウが現在使用しているデスクトップに移動します。
そうやって、複数のデスクトップにウインドウを割り振り
全体を見渡しながら次に行う作業に瞬時に移動できる機能がMission Control です。
Dashboardも一つのデスクトップ?
Mission Controlでは、Dashboardが一つのデスクトップ画面として一番左側に居座っています。
従来のように、呼び出すと現在のデスクトップ上にかぶさるように表示されるインターフェイスでは無くなり
ウィジェットの無いデスクトップ部分をクリックしても閉じなくなりました。
個人的には、従来のDashboardのほうが便利だったように感じるので
システム環境設定の「Mission Control」を開いて設定を変更します。
「Dashboard を操作スペースとして表示」という項目のチェックを外すと、これまでと同じDashboardになります。
なぜ、LionのDashboardはこれまでと違う形になったのか?理由はよく分かりませんが
ひょっとしたら、未来のiOSでは、これと同じようにホーム画面を左にフリックするとDashboardが表示される、というような新機能が搭載されるのではないか、という期待をしています。
Mission Controlの不満点
Mission Controlですが、二つほど不満な点もあります。
一つ目は、別のデスクトップからウインドウを持ってくる事が出来ないという事です。
今のデスクトップから、ウインドウを別のデスクトップに移動する事は出来るのですが、その逆が出来ないのはちょっと不便かなあ、と思います。
もう一つは、ウインドウを従来のSpacesのように好きな位置に移動させる事が出来ないという事です。
Spacesでは、ウインドウを好きなデスクトップの好きな位置に移動させる事が可能でしたが、
Mission Controlでは、別のデスクトップにウインドウを移動しても、現在のデスクトップと同じ位置にしか置けないようです。
例えばデスクトップ1の左側に置いてあるSafariをを、デスクトップ2の右側に移動したくてもそれはできず、
デスクトップ2の左側に一旦置いてからデスクトップ2に移動し、それからSafariのウインドウを移動しなければなりません。
これも一手間増える気がして、ちょっと不便だと感じてしまいますね。
この辺りは、ひょっとしたら今後のアップデートで改善されるのかも知れませんね。
じゃあ、Mission Controlはダメなのか?
上記で色々不満点を上げましたが、それではMission Controlは失敗なのかというと、そうではないと思います。
それどころか、これはかなり深いところまで考えた上での機能だと思っています。
聞こえてくる意見でよくあるのが、「Mission Controlは表示される内容が多すぎて、ウインドウが多くなるとカオス状態」というものです。
勿論好みは人それぞれで、従来のSpacesやExposeのほうが良かった点も確かにあると思いますが
私はむしろ逆で、たくさん開いたウインドウをカオスにならないように整理するのがMission Controlの神髄だと思っています。
たくさん開いたウインドウから目的のものを見つけやすくするために生まれたのがExpose。
それでもウインドウが多すぎると訳が分からなくなってしまうため、デスクトップ画面を増やして整理しやすくしたのがSpacesです。
それではMission Controlとは何か?
ウインドウが増えてきたら、Mission Controlを起動して、取りあえず今使わないものは別のデスクトップに移動しましょう。
あらかじめデスクトップ(スペース)の数を4個とか6個とか決めておく必要はありません。
別の作業がやりたくなったら、そのウインドウがあるデスクトップにすかさず移動します。
使ったデスクトップはその頻度により自動的に並べ替えられ、前の方に移動します(この並べ替え機能はシステム環境設定でオフにする事も可能です)。
そうやって、極力ウインドウが散らかるのを避けつつ、その管理の手間を減らすよう工夫されたのが「Mission Control」だと思います。
まとめ
Mission Controlについての感想を色々と書きましたが
まとめると「未完成な部分はあるものの大きな可能性を秘めた大型ルーキー」と言ったところでしょうか。
この機能と、「マルチタッチジェスチャー」を使って
3本指でデスクトップをスワイプし、次々とめくっていく操作は、単純に理屈抜きで楽しいですよ。
Mission Control、食わず嫌いせずに是非試してみて下さい!

カテゴリ: 仕事効率化
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対応機種: 無し
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